FURUSATO SELECT ふるさとセレクト
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新潟県燕市、長崎県波佐見町、兵庫県豊岡市。離れた三つの土地には、それぞれ異なる道具の文化があります。

燕で目を引くのは、金属を磨き、形を整える仕事です。鏡のようなカトラリーには、華やかさより先に、寸法と仕上げを積み重ねた確かさがあります。波佐見の器は、日々の食卓で使われることを恐れません。重ねやすさや持ちやすさの中に、現代の暮らしへ開かれた産地の姿勢が見えます。豊岡の鞄と革小物には、持ち運ぶための構造と、長く使うための素材選びがあります。

工芸を「飾るもの」としてだけ見ると、産地は遠い存在になります。けれど、食べる、飲む、働くという毎日の動作から見ると、産地の技術は急に身近になります。

土地の歴史を覚えてから品を見る必要はありません。まず一つ、使いたい道具を見つける。そこから作り手を知り、町を知る。道具は、産地へ入るための小さな入口です。